ポンペイのフレスコ断片とナイル風景 - アートプリント

この魅力的な断片は、ローマ人の目を通して古代エジプトへと私たちを誘います。紀元1年から79年にかけて制作され、ワニが小さな舟の中の人物、恐らくピグミーに近づく神秘的なナイル川の情景を捉えています。背景には茅葺きの小屋や列柱の架かる橋が描かれています。この作品は紀元前1世紀以降、ローマ帝国を席巻した魅惑的な「エジプトマニア」を反映しています。
この芸術作品が同時に複数の物語を語っている点が私たちは大好きです。異国情緒あふれるエジプトのイメージは、裕福なローマ人にとって文化的洗練を示すことから、ナイル川の年次氾濫に関連する豊穣の象徴を呼び起こすことまで、さまざまな目的に使われました。一部の学者は、小さな人物がローマ人がエジプトに結びつけた驚異的で神秘的な性質を表していると示唆しています。この美しい漆喰に描かれたテンペラの断片は現在、J.ポール・ゲティ美術館のコレクションに収蔵されています。